採用成功インタビュー Interview

従業員:1,000名以上塾講師全国

業界に先駆けてオウンドメディアに着目。
採用成功のポイントは新たな価値の創出

業界に先駆けてオウンドメディアに着目。 採用成功のポイントは新たな価値の創出

インタビュー協力

株式会社明光ネットワークジャパン 事業企画部
左:大久保様、右:本間様

株式会社明光ネットワークジャパン
日本初となる個別指導塾「明光義塾」をはじめ複数の教育ブランドを運営し、今や個別指導塾のパイオニアとして知られる同社。現在ではフランチャイズ展開も含めて全国に約1700以上の教室を展開しています。グループ規模が大きいこともあって人材採用にはかねてより力を入れており、各教室からの相談対応や媒体選定など採用領域全般を本部にて管理。正社員の教室長・アルバイトの塾講師と、募集職種や雇用の形も様々です。
  • 課題

    ・講師の採用難による人材不足
    ・求人媒体では職場の魅力を伝えきれない

  • 目的

    ・人の魅力が伝わるコンテンツを発信したい
    ・想いや意欲が強い有効応募を増やしたい

  • 効果

    ・求人媒体では伝えきれない魅力を発信できた
    ・応募数も増え、特に採用率が大幅にアップした
    ・会社の理念や風土に共感したからという応募者が増えた

―オウンドメディア導入の背景を教えてください。

始まりは講師不足によるプロジェクト発足

当たり前のことではありますが、学習塾は講師の方々がいないと成り立ちません。全国で多くの教室を運営している弊社にとっても、多くの優秀な講師を採用することが事業の発展・拡大における大きな鍵となります。

そんな前提がありながら、私たちは2012年頃から慢性的な講師不足に悩まされていました。当時は講師募集における専門部隊が社内に存在していなかったこともあり、これを機に新しくプロジェクトを発足。募集・採用・育成・定着・ブランディングと、それぞれの担当チームに分かれて採用課題の解決に向けて本格的に取り組みを始めました。

 

求人では伝えきれない「人」の魅力を伝える

課題の原因を洗い出していった結果、「この仕事の魅力って本当に世の中へ伝わっているのか?」という疑問にたどり着きました。

というのも、私たちが自社の最大の魅力として掲げているのは「人」の良さ。それに対し、求人媒体など既存メディアではどうしても労働条件にボリュームを割いてしまい、各教室が持つそれぞれの魅力やそこで働く人の良さを伝えきれていない。

そこで、人の魅力をもっと知ってもらうためにオウンドメディアでの採用に着目したんです。当時は業界でもオウンドメディアはほとんど浸透していませんでしたが、「ならば自分たちが1番最初に!」ということで先陣を切って新たな領域に飛び込みました。

 

―具体的にはどのようなことを行いましたか?

各教室の魅力が伝わる採用サイトの導入

完全にオウンドメディア採用へと移行するわけではなく、求人媒体での採用も続けながらプラスαのコンテンツとして採用サイトを立ち上げることから始めました。サイト内のページ構成は、最初に定めた目的の通り「人」にフォーカスしたコンテンツが中心。

プロジェクトメンバーがライターさんを連れて実際に各教室へと出向き、取材した内容を新たなコンテンツとして週1回ペースで定期的に更新するなど、新鮮且つ具体的な情報でありながらそれぞれの違った魅力が出せるよう注力しました。最初は各地での情報収集から始めることが多かったので、苦労することも少なくなかったですね(笑)

 

最初の課題は「どうやって広めるか」

サイトを立ち上げたのは良いものの、まずはその存在を認知してもらわないと意味がない。「どうやってオウンドメディアを広めていくか?」というのが、当時の私たちにとって最初の壁であり1番の課題でした。そこで取り組んだのが、社内への浸透とWeb広告の活用です。

社内への浸透に関しては、単純に従業員一人ひとりから外に広めてもらうのが目的。Web広告に関しては、様々な広告を経由して採用サイトにたどり着く導線を増やすことで集客アップを図りました。

また、更なる話題性のために2014年には学習塾初となるドキュメンタリームービーも撮影しましたね。当時テレビCMでも放映されて、認知度を高める大きな要因のひとつになりました。

 

―導入後、採用効果に変化はありましたか?

意欲の高い応募者が増えて採用率もアップ

大きな変化のひとつが、応募数に対しての採用率が非常に高くなったこと。応募数自体も増えてはいましたが、特に「明光だから働きたいと思った」という想いを持った方が多く、応募者の質が明らかに上がっていることを強く実感しました。この傾向は現在においても同様で、現状は求人媒体と比較してもオウンドメディアを経由しての応募者は採用率が10%以上も上回っています。

求人情報だけでなく更なる情報を求めてくれている意欲の高さ、給与や待遇よりも一緒に働く仲間や風土に魅力を感じてくれているという事実も相まって、マッチングの精度が高くなった点には特に大きなメリットを感じますね。

 

―今後に向けた課題と展望について教えてください。

魅力的な人材を「集める」から、「集まる」へ

オウンドメディアを導入してから採用効果が改善されたとはいえ、今もPDCAを回しながら「誰に何をどう伝えるべきか?」を常に考えながら有効応募を集めるために試行錯誤を重ねているのが現状。もちろん楽をしたいというわけではありませんが、ゆくゆくは自然と弊社の魅力が世の中へ伝わり、自然と応募者が集まるような状態になるのが理想だと考えています。

そんな未来を目指すためにも、まずは目の前のことから一歩ずつ。オウンドメディアの中でも採用サイト以外の領域を試してみたり、新しく採用管理システムを導入したりと、既に挑戦していることも含めて様々なことを試しながら、時代に合わせて求職者から求められているものを発信し続けていければと思っています。

 

―オウンドメディア検討中の会社にアドバイスをお願いします。

まずは課題の原因を整理することから

例えば採用課題なら、単に労働条件が悪いのか、応募後の選考フローに問題があるのか、そもそも募集の事実自体を認知されていないのか…。原因によって解決策が変わってくるからこそ、先にオウンドメディア導入の目的をしっかりと定めること。その上で、途中で目的がブレないよう動いていくことが重要だと思います。

何にせよオウンドメディア自体は始めて損のないものだと思いますし、より多くの情報を求めている求職者も今はとにかく多いので、どの企業様も前向きに検討していいんじゃないかなと思います。事実、弊社においても早期で効果を実感できたので、それが少しでも動き始める後押しになれば幸いですね。

 

大切なのは継続と改善を続けること

前述の通り、オウンドメディアで重要なのは目的を明確にしておくこと。「会社自体の認知度を上げたい」「ブランディングを図りたい」「従業員満足を高めたい」など、求人媒体には不向きな役割を持たせて上手く住み分けることで、運用はもちろん効果の分析もしやすくなると思います。

また、一時的に掲載をするような求人媒体とは違って長期的なコンテンツになるため、大前提としてとにかく継続すること。そのためにも、「誰が」「どんな流れで」「どれくらいの頻度で」など、事前に運用時のことを想定して現実的な範囲で体制を整えておくことも大切です。そして、時代のニーズに合わせてブラッシュアップを常にし続けることがオウンドメディアの理想的な活用法だと考えています。